如是ということ

86.「念仏には無義をもって義とす」に思う  神谷湛然  記

/  86.「念仏には無義をもって義とす」に思う  『歎異抄』の‘十条’には、 「念仏には無義をもって義とす。不可称、不可説、不可思議のゆえに」と書かれている。 この段をどう解釈するかというのが難問とされてきたようである。浄土真宗の宗門では...
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85.「山川草木悉皆成仏」に思う  神谷湛然 記

/  85.「山川草木悉皆成仏」に思う  釈尊は菩提樹の下で坐禅していた時、暁の東の空に輝く明けの明星が目に入った途端、「山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしつかいじょうぶつ)」と快哉したといわれている。私なりに訳せば、‘山や川、草や木が、...
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84.浄土と往生について  神谷湛然 記

/  84.浄土と往生について  歎異抄の解説本を読んで気になることがあった。浄土と往生についての捉え方である。 浄土とは、私たちが生きているこの世で‘弥陀のはからい’に任せて念仏すれば死んで後に行く所であり、そこには阿弥陀仏がおられるのだ...
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83.‘宇宙真実光’とは  神谷湛然 記

/  83.‘宇宙真実光’とは  私は‘宇宙真実光’ということばを時折使っている。ことばというものは月を指し示す指に過ぎないので取りあえずはそう名づけておこうというものである。それでも‘宇宙真実光’をなにか遥か遠くにあるとても素晴らしいもの...
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82.「善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」  神谷湛然 記

/  82.「善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」  歎異抄に「善人なおもて往生を遂(と)ぐ、いわんや悪人をや」という有名な一句がある。私なりに訳せば、‘善人でさえ悟って幸せになれる。ましてや悪人でさえ悟って幸せになれるのは当然だ’と...
経典・経論

33.応以仏身得度者ということ  神谷湛然 記

/  33.応以仏身得度者ということ  観音経の中ほどのあたりに、 「応以仏身得度者 観世音菩薩 即現仏身 而為説法」という言句がある。書き下せば、 ‘応(まさ)に仏の身を以って得度すべき者には、観世音菩薩は即に仏の身を現じて而(しか)して...
経典・経論

32.念彼観音力ということ  神谷湛然 記

/  32.念彼観音力ということ  観音経普門品偈には「念彼観音力」というフレーズが繰り返し述べられている。この言葉の詳しい説 明は、観音経の冒頭に出てくる次の一節にあると思う。    *    * 聞是観世音菩薩 一心称名観世音菩薩 即時...
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81.‘存立危機事態’に思う  神谷湛然 記

/  81.‘存立危機事態’に思う  昨日(2025年11月7日)の国会で、高市新首相は、台湾有事は‘存立危機事態’にあたりうると明確に答弁した。 ‘存立危機事態’とは、2015年に制定された安全保障関連法に規定されたもので、日本が直接他国...
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80.健全なナショナリズムを求めて  神谷湛然 記

/  80.健全なナショナリズムを求めて  「日本人ファースト」とか「アメリカファースト」などというような、‘○○ファースト’がもてはやされているようである。このような自分ファーストには何か肌寒い思いを感じるのは私だけだろうか? 異国人や異...
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79.‘日本人ファースト’に改めて思う  神谷湛然 記

/  79.‘日本人ファースト’に改めて思う  ‘日本人ファースト’について再び考えてみたいと思う。  まず、‘日本人’とは何かということである。 私たちがイメージする‘日本人’は、モンゴロイド系の黄色人種で、身近に出会う人々を思い浮かぶの...
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78.核武装論に思う  神谷湛然 記

/  78.核武装論に思う  先の参院選で躍進した参政党を中心に外国人排除論と共に核武装論が堂々と表立って主張する政治家が目についている。 ーー周辺に核武装国を抱えている日本は核でもって対抗するしかないーー ーー核武装が一番安上がりで効果的...
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77.‘日本人ファースト’に思う  神谷湛然 記

/  77.‘日本人ファースト’に思う  今月20日に投開票の参院選で、‘日本人ファースト’とかそれに類する論調が流行っている。 「経済侵略で都心住めず」 「行き過ぎた外国人受け入れ反対」・・・。 外国人流入のために、治安悪化・健康保険や生...
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76.「渓声山色」ということ  神谷湛然 記

/  76.「渓声山色」ということ     🔸    🔸 峰(みね)の色 渓(たに)の響きも みなながら       わが釈迦牟尼(しゃかむに)の 声と姿と    🔸    🔸 道元禅師の和歌である。これは、11世紀後半に活躍した中国・宋代...
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75.無所得ということ  神谷湛然 記

/  75.無所得ということ  「無所得」は、仏教でよく耳にすることばである。有名な経典である般若心経にも展開される‘無’の総まとめとして「以無所得故(無所得をもっての故に)」と記述されている。私の修行した安泰寺でも、「無所得の坐禅」だとか...
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74.「孤独」ということ その2  神谷湛然 記

/  74.「孤独」ということ その2  「孤独」の問題を引き続いて考えてみたいと思う。 一人で生まれ、一人で死ぬという人がいる。一方で、人間は群れから離れては生きられない存在だという人もいる。 釈尊は、「自らを灯とし、法を灯としなさい」と...